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そのため、横浜市では、法制度としての「条例」を制定するため、現在作業を進めている。この条例は、福祉のまちづくりが目標とする都市横浜の実現に向けた一つの契機として、また、横浜市の福祉のまちづくりの次の段階に向けた新たな一歩として位置づけるものである。
 
(1)これまでの検討経過
今後の福祉のまちづくりの基本的な考え方を検討するため、市民・事業者・行政により平成7年8月に条例を念頭においた検討委員会が設置された。
検討委員会への高齢者・障害者団体委員の積極的参加や、市民団体との意見交換会、事業者アンケート、市民フォーラム等からの多様な意見聴取をもとに、検討委員会がとりまとめを行い、8年12月に市長に対して「横浜市における福祉のまちづくりのあり方について(提言)」を行った。この提言を踏まえて横浜市の福祉のまちづくり条例(案)をこの2月市会に提案したところである。
 
(2)先駆的な検討プロセス
平成7年8月に発足した検討委員会のメンバーは、市民・事業者・学識経験者など計29人。ソフトとハードそれぞれについて考える二つの部会を含めると、高齢者・障害者団体からの参加が4分の1を占めている。これまでに、5回の委員会を実施。二つの部会の開催回数も、延べ20回にのぼっている。
同時に、市内事業者800社に対するアンケートや事業者団体との意見交換会を実施。また、高齢者・障害者団体87団体を含む、延べ117の市民団体を対象にヒアリング調査を行い、中間段階やとりまとめ時点など、委員会の経過ごとに情報を提供し、その都度意見を求めるという特徴的な手法で検討を進めた。
 
(3)条例(案)の性格
?基本的人権の尊重とノーマライゼーションの考え方をもとに、横浜市における福祉のまちづくりの基本となる条例とする。
?すべての人が社会連帯の理念に基づき相互交流し、支え合うための「福祉の心の醸成」と障害者・高齢者等が安全かつ円滑に施設を利用できるための「都市環境の整備」を合わせもつ条例とする。
?市・事業者・市民が、協力・連携し、一体となって福祉のまちづくりの推進を図る拠り所となる条例とする。

 

 

 

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