日本財団 図書館


ソフト施策の基本である市民・事業者・行政の協力・連携のあり方を含めた横浜市の福祉のまちづくりの方策を、ハード面と一体のものとして制度的に確立する必要が生じてきている。
 
4 課題に対する主な取組事例(市民・事業者・行政がともに考えるまちづくりに向けて)
現状の課題に対し、これまで横浜市が取り組んできた具体的な事例について紹介する。
 
(1)市民・事業者との協力による面的な整備
再開発事業や区画整理等都市計画上の必要から面的に整備を行う際、移動制約者等の視点を構想段階から計画立案に内在化していく手法を行っている。その具体例として、港南区の上大岡駅周辺再開発事業があげられる。この事業では、設計段階から高齢者・障害者の参加による意見交換を図り、整備水準の合意をもとに、「人にやさしい」を基本コンセプトにしたまちづくりを進めている。そして、ここでは事業者の協力や関係部局の十分な連携も図られている。
 
(2)市民参加による移動の視点での道路・交通の整備
平成5年度から7年度までの3か年にわたり、運輸省関東運輸局と共同で「高齢者・障害者等のためのモデル交通計画策定調査」を行い、8年度にその実行策として、関東運輸局と合同でノンステップバスの試験走行を実施した。試験走行では、高齢者・障害著等のニーズ把握や道路環境等の技術的調査を行い、高齢者・障害者にとっても、乗降が通常のバスに比べて楽であることが確認できたとともに、導入にあたっては、道路、バスターミナル等の環境整備を並行して実施することが必要であることも判明した。
 
5 今後のまちづくりの考え方(福祉のまちづくり条例の制定)
「福祉の風土づくり推進事業」を開始してから22年、「福祉の都市環境づくり推進指針」を制定してから19年が経過し、今後に向けて新たな福祉のまちづくり運動の提起や制度、手法等の確立が問われている。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION