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つ深めていくための情報交換といった心のバリアフリーをつくり出すソフトの取り組みとともに、市民の誰もが不自由なく完全に、日々の生活や実際の社会活動を行うことができるようなハード面の環境が不可欠である。このため、市民が暮らしやすい環境を整備するために都市のインフラの再構築も重要な課題となってくる。以下、本市のひとにやさしいまちづくりの諸施策の展開について述べる。
(1)条例制定の素地
全国に先駆けての本市の「ひとにやさしいまちづくり」への取り組みは、昭和40年代に車いす利用の障害者とボランティアが公共施設を点検し、階段のスロープ化や身体障害者用トイレなどの設置を市に要請し、改善していく運動が展開された。
そして昭和48年7月には、施設建物等のスロープ化、視覚障害者用ブロックの設置などを積極的に行い、名実共に先駆的、福祉のモデル的役割を果たすこととなった。
その後昭和60年には「仙台市福祉の街づくり環境整備指針」が策定された。これは、市民の理解と協力により高齢者や障害者等、行動に支障のある人たちが不自由なく完全に社会生活を果たせるような都市環境の醸成を基本理念としたものである。
この指針に墓づき、市役所をはじめとする一般市民が利用する市の各種の施設や建築物等についての整備を進められた。
(2)環境整備指針策定後の情勢変化
このように、本市の所有・管理する施設等についての改善を進める一方、新たに建築する施設についても、趣旨の遵守を行ってきたが、市の施設を整備するだけでなく、民間の所有・管理する施設の整備も進めていかなければ高齢者にとって十分に生活しやすい都市環境が確保されるとは言えない。
また国においても、平成6年9月に「高齢者、身体障害者が円滑に利用できる特定建築物の建築の促進に関する法律」(ハートビル法)が施行され、民間に対する指導・助言や経済的助成についての基準が定められる等、指針策定当時の状況とはかなり変化してきたことを受けて、従来の指針の見直しと、条例化に向けた検討のため、平成7年8月に、広く市民の意見を聞く「仙台市福祉の街づくり懇話会」を設け、平成8年3月にその提言

 

 

 

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