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を受けた。この提言を踏まえ、同年6月には「仙台市ひとにやさしいまちづくり条例」が制定されたのである。
(3)「仙台市ひとにやさしいまちづくり条例」
本条例は、身体障害者や高齢者等による円滑な利用を図ることができるよう、施設や設備等の整備等を促進するため、行政だけでなく事業者、市民それぞれの責務を基本理念として明示し、市や官公庁の建物、社会福祉施設、民間の建築物等の他、ハートビル法において対象外とされている道路や公園等も含めた公益的施設の種類に応じて定める整備基準に適合させるべき施行主等の義務を規定するとともに、既存施設についても、整備基準に適合させるよう配慮すべき義務を規定している。
また、民間の建築物については、一定規模以上を対象に届け出を義務づけ、事前協議による助言指導を行うこととした。
さらに、高齢者などに配慮した施設整備への助成といった財政上の優遇措置を設け、民間事業所の協力を求めている。
なお、届け出の対象となる施行工事等の完了後の検査等により、整備基準に適合していることが確認された公益的施設については適合証を交付し、市民への周知を図るものとしている。
 
4 今後の課題
行政の施策や画一的な対応だけで高齢化社会を支えていくことは困難であり、行政では手がとどきにくい領域における市民の役割が求められ、また、地域におけるきめ細かな施策展開も必要である(<資料2>の図の斜線部分にあたる)。しかし、都市においては市民自身が家族関係も含めて、その姿を変えつつあり、また、地域社会も大きく変貌しつつある。
これらへの対応がなされるためには、その基礎として、市民と行政のパートナーシップの確立、都市における新しい地域社会づくりが重要な要件であると考える。
仙台市では、現在、新しい総合計画の策定作業を進めており、その過程において市民と行政のパートナーシップのあり方、住民参加型のまちづくり、変貌する地域社会における新しい地域政策の理念の構築を行っており、きたるべき21世紀の超高齢社会はこうした視座を重ね合わせて展望していかねばならないと考える。

 

 

 

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