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積雪寒冷地特有の気侯と北海道人気質・札幌人気質は無視できない。
 
3 冬季間の雪対策とその問題点
 
(1)除雪に対する要望の高さ
前述のように札幌市は世界的にも稀な多積雪量の大都市であるが、除雪は都市機能や市民生活の確保という面から市政の最重要課題である。
札幌市では市政に関する世論調査を昭和43年から毎年実施しているが、この中で除雪要望は昭和53年から今日まで連続1位となっている。実は、昭和51年と52年の除雪要望は2位であったが、この時期の要望1位は物価対策であった。オイルショックによる狂乱物価が世間を騒がせていた時であることを考えると、実質的には21年連続1位といえよう。
(2)雪さっぽろ21計画
快適な冬の都市環境づくりを目指す「雪さっぽろ21計画」は、西暦2000年を目標年次に雪対策の総合指針として平成3年に策定された。
この計画においても、高齢化社会に対応した雪対策の推進は基本目標の一つであり、次のような施策が柱となっている。
・「マルチゾーン除雪」
この方式は、地域に密着した除雪体制の効率化を実現するためのものである。市内を連合町内会をべ一スとした46地区に区分し、その地区ごとに車道除雪、歩道除雪、運搬除雪などの除雪作業を一括して多角的に実施する総合除雪方式で、市民と除雪業者と市の3者が「地区除雪連絡協議会」を組織し、協力しながら地区に密着した除雪を行うものである。
・「除雪パートナーシップ制度」
この制度は、市民要望の最も高い生活道路排雪に関し、地域と市がパートナーとなって進めるものである。この制度を利用するためには、町内会など地域がまとまって生活道路排雪について合意しなければならない。その上で市に申込み、市が除雪業者を手配する。地域、除雪業者、市の3者は、それぞれの役割を分担し、連携して地域の排雪を行う。これにかかわる費用は、実質的に市が半分以上負担することに

 

 

 

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