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寒冷が特徴である。平年気温は、8.2℃、平均降水量1,129.6?である。
しかし、何といっても札幌の気候の特色は、積雪の多さである。平年降雪量は480?にも達するが、これに匹敵する降雪量のある大都市は、世界的にも見当たらない。ロシアのサンクトペテルブルグ市とキエフ市がやはり降雪量の多い方であるが、それでも4mには達していない。また、一般的に北欧は積雪が多い国とのイメージがあるが、南部の都市では、緯度は札幌市よりもかなり高いものの、雪ははるかに少ない。
(5)北海道人気質・札幌人気質とライフスタイル
アイヌ民族を除くと、北海道民のほとんどは2代、3代さかのぼると本州など北海道外の地域から流入した移民である。開拓地のため、地縁、血縁のしがらみが少なく、開放的で家への帰属意識や宗教心も薄いといわれている。
こうした札幌人気質の反映とみられるのが離婚率の高さであり、平成7年には人口千人当たり全国1.60に対し、札幌市は2.35であり、13大都市中1位である。また、札幌市の出産適齢期の女性の未婚率は、全国に比べかなり高いのに、平成6年の女性の平均初婚年齢は、全国、札幌市ともに26.2歳となっている。このことから、札幌市では年齢が高くなっても結婚しない女性が多いのではないかと類推される。このような傾向は、今後、前述のような高齢単身者数をさらに増加させる要因となることが予想される。
また、高齢者の長期入院についても、気質の反映であるとの指摘もある。一般的に、北海道人は医療機関にかかることに抵抗感が薄く、また、高齢者の場合、病院に入院していても、退院して寒くて除雪の心配のある自宅に戻るよりも、病院等入所施設で生活することを望む傾向があるといわれている。実際、札幌市の一般病院における病床利用率をみると、平成4年度の年間病床利用率は全国水準を2.6ポイント上回る82,9%であり,特に11月から3月までの冬季の月末病床利用率は、全国水準を4ポイント以上上回っている。
もちろん、高齢者の長期入院は「社会的入院」とも呼ばれるように、医療制度の矛盾等の影響があることも見逃せない。しかし、前述の周辺市町村の超高齢化の問題も含めて、札幌市の高齢化対策を考える上で、

 

 

 

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