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(2)周辺市町村の高齢者の存在
札幌市では、概ね60?圏の範囲の8市18町9村を包括する区域を「札幌複合都市圏」、一体的な日常生活圏を構成している6市2町1村を包括する区域を「札幌都市圏」として設定している。
これら周辺市町村のほとんどが、札幌市を上回る高齢化率であるが、そのなかでも、過疎化が進む小規模な村では一層深刻な問題である。平成7年の時点でも厚田村が23.6%、浜益村が34.8%と超高齢化社会を先取りしており、10年後には浜益村が48.2%に達すると推計されている。
このような状況のなかで、札幌市は圏域の医療拠点としての機能を有している。札幌市内には、医療機関、病床数が集中しており、特に病床については、人口10万人当たりの一般病床数、老人病床数ともに政令指定都市のなかで1位となっている。また、国民健康保険における一人当たり医療費をみると政令指定都市中1位の481,710円(平成7年度)となっており、特に高齢者の医療費は若人の5.0倍と極めて高い。
(3)高齢単身者・高齢夫婦世帯数の増加
世帯規模(1世帯あたり平均世帯人員)は全国的に縮小傾向にあるが、平成7年でみると全国2.85人に対し、札幌市2.45人と札幌市の世帯規模はかなり小さいものとなっている。このことに最も寄与しているのが単身者の増大で、全世帯にしめる単独世帯の割合は、全国の25.6%を大きく上回り、札幌市33.4%となっている。
高齢単身者数を平成2年と比べると、51.6%増となっており、これは、単独世帯総数の増加率(20.8%)を大きく上回っている。また、高齢単身者数を年齢(5歳階級)別に平成2年と比べると、高齢になるほど増加率が高くなり、85歳以上では131.6%と、2倍以上に増加している。
夫65歳以上、妻60歳以上の夫婦1組からなる高齢夫婦世帯は、5年前に比べ49.2%増加しており、そのうち夫婦とも65歳以上の世帯は、59.0%増加している。
(4)積雪寒冷地特有の気候
札幌市は日本海型気候に属し、夏季は一般にさわやかで、冬季は積雪

 

 

 

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