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する。なお、本稿で意見にわたる部分はすべて私見であることを最初にお断りしておく。
 
2 札幌市の高齢化−その特徴
 
先頃、平成7年国勢調査の結果が公表されたので、まず、これを中心に札幌市の高齢化の特色を分析してみることにする。
(1) 高齢化のスピードの速さ
平成7年において、総人口に占める65歳以上の人口(老年人口)の割合は、全国14.5%に比べ、札幌市は11.5%と低い水準にある。しかしながら、高齢化社会(老年人口割合7%以上)から高齢社会(同14%以上)に達する期間をみると、全国では昭和45年から平成6年までの24年間を要しているのに対し、札幌市は昭和60年から平成12年(推計)の15年間という極めて短期間で到達することが予想される。
日本の高齢化は、世界的にみても急速な方であるが、そのなかでも速いテンポで札幌市の高齢化は進むということであり、その分、高齢化に対応するための社会資本、システム等も早急に整備する必要があると思われる。
次に、平成7年における平均年齢であるが、全国39.6歳に対し、札幌市は37.8歳とその格差は1.8歳あり、やや若い方であるが、昭和50年にはその格差が2.2歳あったので、その差は縮まりつつある。
これを(旧)11大都市における平均年齢でみると、昭和55年には札幌市(31.8歳)は川崎市(31.6歳)についで若く、かなり若い都市との看板を掲げられたのであるが、昭和60年では福岡市についで3位、平成7年では広島市に抜かれ4位と中位に近くなっている。これを13大都市でみると、平成7年では仙台市と千葉市の平均年齢が低いため、札幌市は6位に位置している。
また、合計特殊出生率は、全国的に低下傾向が止まらず、社会的に問題となっているが、平成7年では全国1.42に対し、札幌市は1.16と全国水準を大きく下回っている。

 

 

 

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