日本財団 図書館


迅速に発見・保護することにより、その安全を確保するとともに、痴呆性高齢者を地域全体で支援するしくみづくりを進める。さらに、痴呆性高齢者に対する新たな財産保全管理サービスについての区市町村の取組みを支援していく。
iv)高齢者福祉・医療の複合施設の建設
医療と福祉が密接に連携して、痴呆性高齢者や看護・介護を必要とする高齢者のあらゆるニーズに対応できる先駆的・モデル的施設として、高齢者福祉・医療の複合施設を建設する。
 
?サービス提供のしくみづくり
i 時代に合わせた施策の見直し
心身ともに健康な高齢者の増加や年金制度の充実などによって、これまでの「高齢者」観は変わりつつある。このような時代状況の変化に合わせて、サービスの対象年齢や本人負担の見直しをはじめ、既存事業の再点検を行うとともに、住民二一ズの緊急性などの観点から施策の優先順位を明確化することにより、福祉施策を組み替えていく。
老人医療費の助成については現在年問700億円の経費が投入されているが、現行制度のままいけば、10年後にはほぼ倍増することが見込まれる。一方、医療保険制度の改革や介護保険制度の導入の動きもあり、老人医療費の助成については、これらの動向も踏まえながら、社会経済状況に合うよう検討していく必要がある。また、シルバーパスについても、高齢者の社会的活動の促進とそのための費用負担のあり方について議論をしていくことが求められる。
見直しにあたって都民のコンセンサスを得ていくため、情報をさらに公開して問題点をわかりやすく示し、十分議論をしていく。
ii 地域の市民団体等によるサービス提供の拡大
それぞれの地域の実情に応じた福祉サービスの展開を可能としていくため、多様なサービス提供主体を育成するとともに、サービス提供主体としての適否を自治体が主体的に判断できるようにすることが求められる。
そのために、民間事業者の参入の妨げにつながると指摘されている現行のシルバーマーク制度に代わり、地方自治体が地域の実態に応じて、利用者が安心してサービスを選択し利用できるしくみをつくれるよう、国に求めていく。また、市民団体や民間事業者が提供するサービスを含めた各種福祉サービスについて、利用者への情報提供を充実する。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION