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今後ともさらに公共施設のバリアフリー化を推進していくことが必要である。
 
?民間施設のバリアフリー化
バリアフリーなまちづくりを進めていくためには、国や地方公共団体だけではなく、民間事業者を含む市民すべてがその必要性を認識していかなければならないと考えられる。最近では、映画館やホテル、デパート、ビルなどにおいても、いわゆるハートビル法の制定の影響もあり着実にバリアフリー化が進んできている。ハートビル法は、劇場、百貨店など不特定多数の者が利用する施設について、バリアフリー化のための基準を設けるとともに、都道府県知事により一定の基準に達している等により優良な建築計画であると認定された建築物に対しては、税制上の特例、補助金の交付、容積率の緩和などの優遇措置を講じるものである。こうした優遇措置は民間事業者による建築物のバリアフリー化を促進する効果があるほか、民間事業者にとっては認定を受けたことがステイタスとなり、利用者に対する宣伝効果も期待できる。
また、地方公共団体においても、バリアフリーなまちづくりの重要性の普及・啓発が進められているほか、一定の基準に達したバリアフリーな建築物の認定や補助金の交付、融資制度の創設などが行われているところである。なお、平成8年度において、自治省は、地方公共団体が単独事業として一定の民間施設等のバリアフリー化に対する補助事業を行う場合、その一定額を特別交付税の対象とする措置を講じたところである。
各地方公共団体においては、民間施設のバリアフリー化をさらに促進するため、こうした支援策も活用しながら、これらの施策の創設・拡充をさらに検討していくことが必要であると考えられる。
 
(3)高齢者向け住宅
高齢者が、住み慣れた家で暮らし続けていくためには、階段への手すりの設置、浴室・トイレの改造、段差の解消、緊急通報システムの設置など、住宅のバリアフリー化を進めていくことが必要になる。このため、行政としても、住宅のバリアフリー化に関する相談事業を行うこと、既存の住宅のバリアフリー化のための改修工事について支援を行うこと、高齢者向けの公営住宅の整備を進めていくことなどを検討していく必要があると考えられる。
 
?高齢者住宅相談等
高齢者向けの住宅相談を行うためには、まず高齢者向けの住宅に関するノウハウを持った職員を確保・養成するとともに、住宅工事を行う施行者など地域の専門家との間の連携を進めていくことが必要になろう。このため、在宅ケアの担当職員やホームヘルパーなどに対し住宅の建築条件や高齢者の身体機能、各種制度に関する研修を行うとともに、地域において住宅改造に熱心に取り組んでくれる業者や建築

 

 

 

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