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士・福祉機器のメーカーなどを把握し、住宅改造を必要とする高齢者に対し紹介していくシステムを構築することが必要となろう。実際に住宅改造を行う段階においては、資金不足から住宅改造をあきらめる場合も少なくないことから、公的な融資や助成制度を整備することにより住宅改造の促進が図られるものと考えられる。我が国では住宅は個人の財産であり、住宅改造に助成はなじまないとする考え方もあるが、住宅改造の費用を負担することにより、介護費用、福祉施設の整備費用、入院費用などの軽減も期待できるのではないかと考えられる。
さらに、住宅の新築時において、高齢化の際に必要となるバリアフリー化を事前に行うことの有効性について普及・啓発を図ることも効果的であると考えられる。
 
?高齢者用住宅の整備
公共住宅においては、バリアフリー化を促進するため、平成3年度以降、新たに建設する公営住宅、改良住宅及び公共住宅について高齢化に対応した一定の仕様を標準化し、その後も逐次仕様の充実が図られてきている。また、健康状態に不安のある高齢者が可能な限り自立し、かつ安心して生活することができるよう、住宅のハード面の整備のみならず、医療や福祉サービスの支援を受けていくことの必要性も認識されてきている。こうしたことから、入居している高齢者がライフサポート・アドバイザーによる生活相談や緊急事対応等の福祉サービスを受けることができるよう配慮された公営賃貸住宅の供給を行うシルバーハウジング・プロジェクト等も進められてきている。各団体においては、必要に応じてこうした施策を進めていくことが望まれる。
なお、自治省では、平成9年度から、高齢者に対する住宅の提供並びに生活サービス及び介護サービスの提供を一体的に行う介護付き高齢者住宅事業を公営企業として実施することとし、事業費の10%について一般会計出資債の対象とし、その元利償還金の50%に対して地方交付税措置を講じるとともに、残りの90%の部分については公営企業債の対象とする制度を創設することとしている。

 

 

 

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