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? ホームヘルパー等の育成確保
大都市地域は、介護マンパワーとして期待される若年層人口が相当数存在するという点では、現在高齢化が顕在化している過疎地域に比べると、人材確保の観点からは恵まれていると見ることができる。しかし、大都市でも細かく地域を分けてみてみると、高齢者人口に比べ若年層人口が少ない地域も見受けられる。このため、必要なマンパワーの採用・確保を広域的に調整することも必要となろう。
また、介護マンパワーを確保するためには、まず給与の引き上げや労働時間、福利厚生などの待遇改善が必要になると考えられる。そのうえで、市民に対する福祉教育の実施や介護の必要性・重要性の認識の普及啓発を行うことにより、ホームヘルパー等の社会的な評価を向上することにより、より魅力のある職業としていくことが必要となろう。こうした改善を進めていくことにより、ホームヘルパー等の質・量の確保が進むものと期待される。
このほか、比較的元気な高齢者をホームヘルパー等のマンパワーとして活用していくことも検討する余地があるのではないかと考えられる。一部の農村地域においては、そうした例もみられ、退職後の高齢者の生きがいづくりとしても役立つものと考えられる。
 
? 自発的な市民活動等の活用
在宅介護に係るマンパワーの確保については、行政が主体となって進めて行くべきであると考えられるが、行政には財政的な制限もあるため、公的なホームヘルパー等による在宅福祉サービスの提供のみでは、今後とも増大する高齢者の介護ニーズに十分対応できないことも想定される。今後とも増大するであろう要介護者が、それぞれの事情を考慮したきめ細かなサービスの提供を望む場合、行政だけではなく、地域やボランティア団体によるサービスや、受給者の自己負担による民間企業等からのサービス供給を受けていくことになる考えられる。
このため、これからの介護マンパワーの確保を考えていく際には、行政によるもののほか、次のような主体が行う介護サービスをネットワーク化し、地域で高齢者を支え合う体制を整えることが望まれる。

 

(?)社会福祉法人・社会福祉協議会
社会福祉法人や社会福祉協議会は、地域における福祉活動の中心的な存在として活動を行ってきているが、今後もより一層その存在意義が大きくなってくるものと思われる。社会福祉法人については、複数の施設の運営やデイサービスセンター、在宅介護支援センターなど様々な事業に取り組むことにより、施設サービスやホームヘルプサービス、配食サービスなど総合的な地域福祉活動の担い手となることが期待される。
また、社会福祉協議会については、現在全国の市区町村、都道府県及び全国と様々なレベルで組織され、地域における社会福祉活動の企画、実施、連絡、調整等を行

 

 

 

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