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置を構想するための準備作業とすることを試みる。
(A)気象業務法の法的システム
現行の日本の法令の中で、「海洋科学調査」との関連が深いと思われるのが、気象業務法の制度である。気象業務法が扱う「気象業務」について、同法2条4項は、気象、地象、地動及び水象の観測並びにその成果の収集及び発表(1号)、気象、地象及び水象に関する情報の収集及び発表(3号)、前各号の事項に関する統計の作成及び調査並びに統計及び調査の成果の発表(5号)、前各号の業務を行うに必要な研究(6号)を含むとしている。また、右にいう「水象」について、同法は、「気象又は地震に密接に関連する陸水及び海洋の諸現象をいう」と定義している(2条3項)。従って、現在の国内法令において、海洋の「純粋な科学調査」に最も近接する法概念として、気象業務法に言う「気象業務」が挙げられるであろう。さらに、気象業務法は、その目的として、「気象業務に関する国際的協力を行う」ことを掲げている(1条)。
気象業務法の「気象業務」は、第一義的に気象庁ないし気象庁長官の所管に置かれる(同法3条)。そして、気象業務法は、「気象、地象、地動、地球磁気、地球電気及び水象の観測」に関連して、様々な規制システムを定めている。従って、現行国内法令上、「海洋科学調査」が「気象業務」に該当するような場合には、同法の規制システムの適用が問題になるところであろう。この点について、気象業務法は、日本の領海内に制限されるものと解釈する要素はなく、排他的経済水域及び大陸棚に関する法律3条1項1号が「海洋の科学的調査」に関してわが国の法令を適用する旨規定していることから、日本の排他的経済水域・大陸棚での「気象業務」に適用される筈である。
他方で、気象業務法は、気象庁長官が、必要な場合に政府機関・地方公共団体・会社その他の団体又は個人に対して、「情報の提供を委託」することを定める(5条)。また、同法は、「気象」の観測について、その方法や観測機器等について様々な技術上の基準を設けており、これは、民間団体や個人についても適用される(6条2項)。さらに、同法は、一定の船

 

 

 

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