日本財団 図書館


7条
(1)各締約国は、次のすべてのものにつき、この条約を実施するために必要なすべての措置をとる。
(a)当該締約国の領域において登録され又は当該締約国を旗国とする船舶及び航空機
(b)当該締約国の領域又は領海において投棄が意図されている物を積み込む船舶及び航空機
(c)当該締約国の管轄の下において投棄を行っていると認められる船舶、航空機及び固定され又は浮いているプラットフォーム
この規定によれば、(a)は旗国主義、(b)は積出国主義、(c)は属地主義に基づいて、各締約国は立法措置をとるよう要求されている。なお、(c)に定める「当該締約国の管轄の下において」の文言に関し、条約審議において、その場所的範囲が大きな争点となったが、この問題は、国連海洋法条約の審議に委ねることになったのであった(同条約第13条)。
執行管轄権に関するロンドン海洋投棄規制条約の規定は、極めて簡単である。同条約第7条(2)は、「各締約国は、この条約の規定に違反する行為を防止し、処罰するため、自国の領域において適当な措置をとる」と規定していた。執行措置はもっぱら領域主義に基づくものとされ、領海外における執行管轄権行使はもっぱら旗国主義に基づくことが想定されていたのである。
(3)国連海洋法条約の規定
国達海洋法条約は、海洋汚染の一原因たる海洋投棄の規制について、基本的に海洋投棄規制条約のそれを踏襲した。海洋投棄による汚染に対して、国連海洋法条約第210条は、次のように規定する。
第210条 投棄による汚染
1 いずれの国も、投棄による海洋環境の汚染を防止し、軽減し及び規制するため法令を制定する。
2 いずれの国も、1に規定する汚染を防止し、軽減し及び規制するために必要な他の措置をとる。
3 1及び2に規定する法令及び措置は、国の権限ある当局の許可を得

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION