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とる旨定めているが、取締官の権限として「拿捕」ができる明確な規定がない。それにより取締の現場でどの程度不都合が生じているのかは必ずしも明らかでないが、残された問題点の一つであると思われる。
〔注〕
(1)山下隆之「刑法の域外適用について(上)―海上保安官の立場から」捜査研究530号(1995年)46頁以下。
(2)大野恒太郎「海洋法条約と刑事法」判例タイムズ515号(1984年)18頁。
(3)長崎地判昭60・10・28[判例集未登載]、海上保安事件研究会編『海上保安事件の研究(国際捜査編)』(中央法規、1992年)231頁以下。
(4)大塚(仁)=川端編『新・判例コンメンタール刑法第一巻』(三省堂、1996年)71頁[田中利幸執筆]。
(5)小田滋『注解国連海洋法条約上巻』(有斐閣、1985年)233頁。
(6)原田美智雄「国連海洋法条約関連法(2)―排他的経済水域及び大陸棚に関する法律」時の法令1531号(1996年)31頁以下。
(7)検査妨害罪については、香川達夫「漁業法」伊藤=小野=荘子編『注釈特別刑法五巻(3)』(立花書房、1984年)385頁以下。
(8)大野・前掲注(2)「海洋法条約と刑事法」18頁。
(9)島谷邦博「国連海洋法条約関連法(1)―領海法の一部を改正する法律」時の法令1531号(1996年)14頁。
(10)原田・前掲注(6)「国連海洋法条約関連法(2)」32頁。
(11)前田雅英「業務妨害罪と公務」警察学論集47巻3号(1994年)139頁以下。
(12)第136回国会衆議院運輸委員会における外務大臣官房審議官の答弁参照(同会議録第11号5頁)。
(13)島谷・前掲注(9)「国連海洋法条約関連法(1)」11頁、15頁。
(14)明確性の原則については、萩原滋『実体的デュー・プロセスの研究』(成文堂、1991年)9頁以下、門田成人「『刑罰法規明確性の理論』の意義と根拠について」刑法雑誌33巻3号(1993年)1頁以下。

 

 

 

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