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? 海上における犯罪防止
不法入国事犯、密輸された薬物・銃器の一般社会への浸透等の状況を踏まえ、犯罪が既遂に達する以前にその防止のために所要の措置を講じる必要がある。
? 人の生命、身体又は、財産に対する危害防止
天災事変等の危険な事態がある場合に、最も尊重されるべき生命、身体又は財産に対する危害を防止するために所要の措置を講じる必要がある。
? 海上における公共の秩序の維持
外国漁船等が無秩序に避泊し、周辺住民の通常の社会、経済活動を阻害している場合等、海上において船舶が集団化して活動を行うに際して、整序ある状態にないと大きな社会不安が生じる場合には、秩序ある状態を維持又は回復するために所要の措置を講じる必要がある。」ということになる。
より具体的には、次の様な事案に有効に対処できるものでなければならない。それは、
「一定の海域において、停泊する船舶に対し、危害防止や公共の秩序の維持等のために、船舶の進行の停止のほかに、その進行を開始させることが適切な事案が発生していること。危害防止等のために、港に限らず、海域を指定して船舶を移動させることが適切な事案もあること。
ゴムボート等の小型船艇を利用したり、危険物を投げつける等の危険行為も発生しているところであるが、これらに対しては、船舶に着目するよりも直接人の行為に着目することが適切であること。」である。そのためには、「船舶の進行の開始、指定する場所への移動、人に危害を及ぼすおそれのある行為の制止、といった措置の内容を明確にし、且つ、より実効性のある内容となるように改正されたものである。取り分け、特に、最近において、密航、密輸等の海上における犯罪、外国漁船の無秩序な避泊等の事案が多々発生しているなど、海上における秩序維持の観点からの措置が求められているところである。このような場合には、人の身体の自由に対して直接的な侵害を加えるまでもなく、船舶の進行の開始・停止、航路の変更等、船舶の進行に係る措置を講じること」(3)ができれば、問題解決のためには大なる前進である。

 

 

 

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