講ずることができることとした。(第18条第1項関係)
海上保安官は、海上における犯罪が行われることが明らかである場合その他海上における公共の秩序が著しく乱される恐れがある場合であって、他に適当な手段がないと認められるときには、船舶の進行の開始、停止若しくは出発の差止め又は航路の変更若しくは指定する場所への移動の措置を講ずることができることとした。(第18条第2項関係)」と説明されている(1)。
そして、この改正法案の提案理由は、「昭和57年12月に第三次国際連合海洋法会議において採択され、平成6年11月に発効した、海洋法に関する国際連合条約について、今般我が国はこれを締結する運びとなり、また、これに伴い接続水域及び排他的経済水域を設定し、国内法の適用関係を明らかにする等のための海洋法制整備が行われることとなる。このような新たな法制度の導入にかんがみ、また、最近における密航、密輸等海上における犯罪等の発生状況を踏まえ、海上における取締りに係る法整備を行う必要がある。この法律案は、このような状況を踏まえ、船舶に立入検査を行うための停船措置の明確化や海上保安官が講ずる措置についての発動要件の明確化等所要の改正を行い、海上保安官が犯罪の予防等の措置を機動的かつ適切に講ずることができるようにする」(2)と説明されている。そして、法改正を必要とする領海警備の現状としては、次の様な認識が前提とされていた。それは、「海上保安庁は、海上の安全及び秩序を維持するため、我が国の領海内を航行する外国船舶のうち、不可抗力又は海難によらず停泊したり、正当な理由なく徘徊する不審な行動を行う外国船舶や、領海内で操業する等の不法行為を行う外国船に対する監視・取締りを行うとともに、緊急入域する外国船舶について監視警戒等を実施している。」そして、最近における特異事例として、「特に、最近においては、外国漁船等が荒天や機関故障等の理由がないのに、緊急入域と称し、大挙して我が国の離島等の周辺海域に入域し、無秩序な避泊や様々な活動を行い、周辺住民の静穏な生活に支障を与えるものが多い。」という。そして、そのような現状認識を踏まえるなら、「我が国周辺海域においては、次の様な事案に対して、強制力をもった行政上の措置が必要である。
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