避難入域したすべての外国船舶に対し、当該船舶の海難の予防、防止並びに最悪の事態に陥る場合に備えて、常時通信連絡が可能であるよう、その手段、方法を設定しておく必要がある。以上のようなことが確実に励行されない外国船舶については、旗国に通報し、厳重な注意を喚起することが必要であろう。
? 避難入域外国船舶に対する支援、援助。
世界有数の海運国、水産国として、また他方、我が国の船舶が世界の各地で緊急入域により多大な支援、援助を受けている現状に鑑み、避難入域した外国船舶の海難予防、防止、海難救助のため、積極的な支援、援助をすることが必要である。
これまで、入域場所(避難場所)の選択が、もっぱら避難入域外国船舶の判断に任されていたこともあって、必要な情報の提供など積極的な支援、援助に欠けるうらみがなかったとはいえない(4)。
このように、我が国の緊急入域制度には、やはり多くの問題が存するようである。国連海洋法条約の批准及び、海上保安庁法等の関連法案改正等の国会の審議の過程でも、緊急入域に関連して、次の様な議論がみられた。
〔委員〕「また、密航、密輸以外の分野でも、従来から外国漁船の緊急入域の問題があると聞いておるわけでございます。漁船の緊急入域自体は国際的にも正当に認められたものでございますけれども、最近では正当な緊急入域の要件がないまま、特に韓国船を中心にしまして多数の漁船が日本の沿岸部に集まって、付近の漁民の方々や海岸近くで生活する人々に心配をかけたり迷惑をかけたりと、こういう実態がある。こういうことも聞いているわけでございまして、このような外国漁船の無秩序な緊急入域の現状、これについても、密輸の問題等々と含めてお知らせいただければと思います。」
〔政府委員〕「先生お話の、緊急入域のうちの、いわゆる緊急入域と称して島の方に入ってくるという例でございますが、特に島場合には人口も非常に少のうございますので、そこに大量の漁船が余り正当な理由があるとも考えられない状況で停泊をして、島の方々の漁具を壊すとか、あるいは深夜に大声で騒ぐとか、大変日常生活に不安があるとという状態が各所から訴えられ
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