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「1 沿岸国は、自国の領海に接続する水域で接続水域といわれるものにおいて、次のことに必要な規制を行うことができる。
(a)自国の領土又は領海内における通関上、財政上、出入国管理上又は衛生上の法令の違反を防止すること。
(b)自国の領土又は領海内で行われた(a)の法令の違反を処罰すること。
2 接続水域は、領海の幅を測定するための基線から24海里を超えて拡張することができない。」
と規定したのである(5)
わが国は、このような国連海洋法条約の締結を受けて、「領海法」(昭和52年法律30号)の一部改正を行い、その名称を「領海及び接続水域に関する法律」(平成8年法律73号)とするとともに、法令違反行為の防止・処罰の措置をとる水域として接続水域を設けることとした。
「領海及び接続水域に関する法律」第4条第1項は、
「我が国が国連海洋法条約第33条1に定めるところにより我が国の領域における通関、財政、出入国管理及び衛生に関する法令に違反する行為の防止及び処罰のために必要な措置を執る水域として、接続水域を設ける。」
とし、
第5条において、
「前条第1項に規定する措置に係る接続水域における我が国の公務員の職務の執行(当該職務の執行に関して接続水域から行われる国連海洋法条約第111条に定めるところによる追跡に係る職務の執行を含む。)及びこれを妨げる行為については、我が国の法令を適用する。」
とする。
ここに、わが国の定める接続水域においては、わが国の領土又は領海における通関、財政、出入国管理及び衛生の4項目に関する法令違反の防止および処罰に関して必要な規制を行うこととされるのである。
 
2 接続水域における「規制」の内容
接続水域33条1項は、沿岸国に接続水域における必要な規制をとることがで

 

 

 

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