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労の社会的支援および斡旋、自治体における防災の保障および自治体の消防組織の組織などの事項を管轄する。

地方自治機関に国の権限を付与する場合は、連邦的法律およびロシア連邦構成主体の法律にのみもとづき、必要な物的および財政的資金の移転が同時にともなうものとされ、委任された権限の実現は国の監督に服することになる。

 

イ 自治体憲章

自治体は、独自の憲章を定め、自治体の区域の変更および構成、自治体の管轄に属する地方的意義を有する問題の確定、その解決への住民の直接参加の形態、手続および保障、地方自治機関の構造および編成手続、地方自治の代議機関の代議員およびその他の選挙制の地方自治機関および地方公務員の任期、地方自治機関の法令の採択手続、地方自治機関および地方公務員の責任、選挙制の地方自治機関および公務員の住民による解職の手続、議員、他の選挙制の地方自治機関の構成員および地方公務員の地位および資格停止の手続などを定める。これは、自治体において、地方自治体の代表機関または住民が直接にこれを制定するものとされている。なお、これは国家登録を必要とする。

 

ウ 地方自治の区域

地方自治の単位たる区域については議論があったところである。新地方自治法は、都市的居住地域、農村的居住地域およびその他の区域において地方自治が実現されると定め、自治体の区域を、市、町、コサック村、地区(郡)、農村地区(郷、村ソビエト)およびその他の自治体とした。あわせて、憲法体制の擁護、国防および国家の安全保障の確保の場合以外には、地方自治を実現する市民の権利の制限は許されないとした。市内の地区の場合、その自治体の組織、合併、再編などは、当該区域の代表の意見を考慮して、市憲章により自主的に、市の代表機関が決定するものとされた。また、自治体の統廃合は、歴史的その他の地方の伝統を考慮し、住民、地方自治機関またはロシア連邦の構成主体の国家権力機関の発議によって行なわれる。

 

工 代表機関

自治体の議会の構成について、段階的憲法改革期には大統領令によって事細かに定められていたが、新法はこれを基本的に構成主体の定めるそれぞれの地方自治法と各自治体の自主的決定に委ねた。もっとも、大統領令は形式的には撤回されたといえるが、事実上はその基準が効果をもっているとことが多い。地方自治体の代表機関は、連邦と構成主体の法律にしたがい、普通、平等および直接の選

 

 

 

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