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団体にのみ特別の法的規制を行うことによって地方自治権を害することを防ぐために、住民の同意をとくに求めたものである。ただし、憲法95条は、どのような特別法についてどのような場合に住民投票を必要としているのか、必ずしも明確ではない。住民投票を要求している趣旨を尊重しながらも、住民投票を必要とする法律の範囲を限定して考える必要があろう。
 一般に、住民投票を必要とする地方自治特別法とは、一つの地方公共団体について、その組織や運営に関して、一般の地方公共団体に適用される法律とは異なった規律をする法律、または、一般の地方公共団体には何らの規律もない事項について特定の地方公共団体に規律を設ける法律をいい、地方公共団体そのものの創設および廃止に関する法律、都道府県・市町村のいずれとも異なった特別の地方公共団体を制度として認める法律などは、ここにいう特別法には該当しないと説かれている(16)。
 ところで、首都地域の行政に関する法律との関係では、二点が問題となる。すなわち、<1>首都地域を新たに組織する場合に、住民投票が必要となるか、<2>首都地域の組織が成立したのち、とくに国の直轄地として組織された場合に、首都地域の行政について定める法律に対して住民投票が必要となるか、という問題である。

(2)首都地域を新たに組織する場合の住民投票の要否

 首都地域の新たな組織化に住民投票が必要かどうかを検討するにあたっては、首都地域の行政組織の形態がまず問題になる。首都地域が、既存の都道府県または市として組織され、地方自治法の規定がそのまま適用されるのであれば、それは地方公共団体の再編成であって地方の自治権の侵害はなく、また、地方公共団体の廃置分合、境界変更には住民投票は不要と解される(17)こととの関係でも、住民投票は不要であると解される。
 これに対して、首都地域に、都道府県・市町村とは異なった特別の地方公共団体を設ける場合には、直ちに住民投票が不要であるというわけにはいかない。学説では、従前の東京都制を定めた法律や、特別市(廃止前の地方自治法265条2項)を指定する法律について争いがあり、それが「特別の地方公共団体を制度として認めた法律」であるなどの理由から特別法にはあたらないという見解(18)も有力である。たしかに、一般的な地方自治制度の改正や、従来の地方公共団体とは異なった特別

 

 

 

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