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所得者層(彼らの多くは公営住宅を賃貸しており、したがってレイトを負担しない)を対象としていたのに対して、レイトは資産を保有する少数の住民(彼らの多くは保守党支持者である)および企業にかかり、かつサービスの拡大によって、しばしばレイトは物価上昇率以上に急速に増加したことである。

 さらに、レイトが唯一の地方税とされたことは、カウンティあるいはGLCは独自の財源を持たず、その下のディストリクト・特別区からの歳入の移転によってその活動を行うことを意味した。これが、GLCおよび大都市圏県は自ら徴税しないがゆえに歳出の増大に関して無責任となるという主張の根拠となり、1980年代の再編成の際、GLCおよび大都市圏県が廃止される理由の一つになった。

(4)1980年代以降の改革

 ア GLCと大都市圏県の廃止

 1979年に首相に就任したサッチャー保守党政権の下で、イギリスの地方自治は大きく変化した。その第一が、GLCおよび大都市圏県の廃止である。
 すでに述べたように、イギリスの地方公共団体は、レイトを唯一の地方税として、それおよび国庫補助に依存して、さまざまのサービスを提供してきた。しかし、1970年代にはいると、はげしいスタグフレーションゆえに、地方公共団体はレイトを年率で10〜50%と、毎年のように大幅に引き揚げることとなった。加えて1979年にサッチャーが政権についてからは、中央政府の財政抑制政策の一環として

 

 

 

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