しかし、第二次大戦後、暫定ベルリン憲法(1946年8月施行)、ベルリン憲法(1950年9月施行)により、今日のベルリン市政に連なる諸制度が復活された。もっとも、ベルリン憲法が施行されたときにはすでに、ベルリンは東西に分裂しており(1948年9月)、西ベルリンは都市州となっていた。したがって、1950年のベルリン憲法はベルリンの全域を対象とするものであったが、実際にはもっぱら西ベルリンの12区において施行され、東ベルリンの8区には別の法規が適用される結果となった。その後、西ベルリンでは1958年、1971年に、区行政を含む市政改革が実施され、今日の制度の基礎が形づくられた。
(3)ベルリンの議会・行政制度
ア 市政
ベルリン憲法1条によると、ベルリンはドイツの州であると同時に都市でもある(都市川)。したがって、ベルリンの議会であるベルリン代議院(以下、ベルリン市議会と呼ぶ)は、州議会であると同時に市町村議会でもある。同様にして、ベルリンの市長は、ベルリン州の首相と大都市の行政首長の機能を遂行する。
ベルリン市議会は、少なくとも150人の議員で構成される。市議会選挙は4年ごとに実施される。しかし、ベルリンの壁崩壊後の統一ベルリン市議会は、5年の任期で選挙された。市議会は、その議員の3分の2の多数決により自律的に解散することができる、市議会の解散は、住民投票によっても行うことができる。
ベルリンの統治は内閣によって行われる。内閣は市長(首相)、市長代理の助役(副首相)ならびに最高16人の大臣(1994年の改革により11人となる)によって構成される。市長は市議会が単純多数決によって選出し、その任期は市議会議員の任期と同じである。助役とその他の大臣は、市長の提案により市議会が選挙する。
市長はベルリンを対外的に代表する。市長は内閣における議長をつとめ、閣議を主宰する。閣議における投票が可否同数の場合、市長が可否を決する。市長は、閣僚と協調して統治政策の方針を決定する。この方針には市議会の承認が必要である。
司法行政と警察を含む中央行政は、内閣が直轄する。そのためには内閣は、行政の原則と方針を定め、その重要性またはその特性のために統一的な執行が