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ブな意味づけに別の主体のネガティブな意味づけが対峙している状態にほかならない。この意味づけ同士の関係が「まちづくり」を座礁させる。意味・価値をめぐる意味づけ同士の対立は「意味づけの場」においてしか解消しない。納得が形成されなければ、社会は安定しない。意味づけの対立が誤解や情報不足に起因している場合なら、誤解を解く努力や情報提供によって解決するであろう。しかし、そうでない場合、人々が納得できるような意味世界が創出されなければならない。この点で現在の都市計画には問題がある。良好な都市空間は公共施設と民間施設が互いに適切な関連配置をとってこそ実現される。すなわち、都市空間は公私各主体の協働が決定的に重要な《コラボ財》である。それなのに、このことが余り認識されていない。都市計画といえば「地域社会の公共施設整備計画の集合」のことだと思われがちである。そのため、公共体が策定した計画の賛否を間う意見聴取がなされることはあっても、計画の策定段階から住民も参加して公私が知恵を出し合う策定方式を採っているものは少ない。できあがった計画の賛否をめぐって議論しても、利害対立が解消する見込みは少ない。それで解消するのは、誤解や情報不足に起因する対立だからである。必要なのは、まちづくりの計画策定における公私のコミュニケーションである。確かに個も全体も幸福になれるような計画策定は容易ではない。コミュニケーションがそのようなアイディアを必ず創出するわけでもない。しかし、幾つかの公私協働型の「まちづくり」事例は、協働が都市空間の価値を飛躍的に増大させることを実証している。この価値の増大は、例えば、自治体がこれこれの施設整備をするのならわれわれ住民は家並みをこうしましょう、そうなら施設はもう少し工夫してこうしますし歩道のカラー舗装も町並みにふさわしい色を使いことにしましょう、といった遣り取りが行われ、調和のとれた公私の施設の関連配置が創られることから発生する。協働によって都市空間全体の価値が充分増大すれば、本当は、増大した価値の分配を工夫することによって、個も全体も一層幸福になれるはずである。コミュニケーションの在り方やさまざまな制度環境を工夫すれば、協働の成功の蓋然性を高めることは充分可能である(注4)。実際、これらの事例はそうした工夫を実行している。し

 

 

 

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