もらいながら家で介護した。この場合、我々としても今までのように1日5,6回の巡回では危険だから、3交代制でべったりついてみようと、町とも交渉して、3日間完全滞在型のサービス(50万ぐらい)をすることになった。すると、御本人が帰って、娘さんたちが集まって「退院できてよかったね」と言うと、それまで本当に食事もしなかった人が、御主人の揚げるてんぷらを食べる、おすしはつまむ、うそみたいに食欲が出てくる。下痢したら悪いと制限をしたほどで、3日間で我々の巡回型サービスで十分済むような状態に回復できた。これは高齢者夫婦が離れ離れになるということが身体的にも非常に状態を悪くしたケースであろうが、そういう意味からも、在宅ということが高齢者にとってどんなにすばらしいかがわかる。そして必ずしも短時間の巡回ではなく、ある場合においては長期的にしっかりと見るなど、相手の状態にどういうケアを組んでいくかという、トータルファミリーサービス、トータルケアという概念で介護を考えた方がいい。そういうものが本来のケア・マネージメントの意味合いだと思っている。しかし、公的介護保険で議論されている介護の提供スタイルは、滞在型のサービスを入れていって、その残りに夜間必要な人に巡回を組み入れるというような、非常に機械的なサービスのイメージしかない。私たちは、この24時間、365日というサービスは、個人個人に何が必要か、そしてそれに応じて、いかにシンプルに提供するサービスを削減できるか。そういうケア・マネージャーが本人の自立支援のためにしっかりと有効な資源を計画的に出していくべきではないかと考えている。今、我が社で6ヵ所の自治体で24時間の介護サービスを実施しており、ケース数は150ほどしかないが、今後広がっていく経験・資料の中から、どのような介護サービスが一番合理性があって、本人の誇り、自尊心というものを引き出し、自立への意欲を引き出していく介護サービスになるかということを研究し、確立していかなければならないと考えている。
(7)過疎地におけるホームヘルプサービスの事業について
公的介護保険が日本の中に制度として定着していくためには、日本の隅