ここから夜の介護が介護者に対する大きな支援になることが判った。介護者が睡眠を十分とれるようになっただけでも大成功だと思う。今、介護保険に関して、深夜帯まで本当に行く必要があるかという議論もあるが、しかし同居家族の少ない外国ならばともかく、日本は同居家族がいる家庭が多く、そこでは夜間に自分の親のおむつがぬれたままだったらやはり見過ごせないから、介護者が深夜帯でもおむつを交換する。そうしたらそれを支援することには、家族関係をよみがえらせるという大きな意味がある。その点で、深夜のサービスというのは必要である。夜間の介護が、家族の関係をいい関係にしたということが本当にこの実践によってわかってきた。
(5)ホームヘルプのあり方
公がつくり出した1週間に3回、1回当たり3時間という滞在型の昼間の介護サービスは、本当に必要なものなのだろうか。介護はそもそもケアプラン、介護の計画に基づいてある人にはお昼40分ぐらいの介護サービス、又他の人には20分ごとに行った方がいいとか、いろいろ個別的状況によって提供される量が変わることの方が正しいのであって、今までの、ともかく3時間行って、その間にできることをしなさいというようなやり方は無駄と言って良いのではないか。そこで昼間の介護サービスを巡回型の、必要な方針に基づいた介護サービスに変えてみようということで、まず滞在型サービスのタイムスタディーを行うことにした。しかし福岡市には社会福祉協議会との関係からやんわり断られ、周辺の志免町、久山町で、タイムスタディーとともに、6人の高齢者を滞在型から巡回型に変える試験を行った。これは補助事業の中での試験だったので、本人、御家族、役場、県、厚生省の全部の了解を必要とした。その結果は、3時間の75%が家事サービスに費やされ、身体介護は25%というものであった。ヘルパーは、行ってまず5分か10分話をする。それから掃除、調理、食べてもらってから後片づけをするが、ここで炊事場を掃除する。トイレや炊事場は家族共通の場所であるが、実際にはヘルパーがきれいにしている。そして身体介護つまり体位交換、おむつ交換、体を