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3 福祉サービスを含めた地方公共サービスの費用負担のあり方について 小西砂千夫

(1)問題意識

高齢社会を迎えて、従来あまり意識されてこなかった介護サービスといった新たな公共サービスの提供が必要となり、老後を安心して暮らせるための総合的な公的プログラムが必要とされている。そこで間われているのは、高齢者に最も望ましい形でしかも行政側から見て効率的に福祉サービスを提供するためには、どのような意思決定システムと、どのような費用負担のやり方が必要かということである。おそらく、そのためには行政哲学の変更と市民意識の変化、さらに具体的な形では行政組織のあり方を改革せざるを得ない。また、従来の財政学の公共サービスと費用負担のあり方の議論も、この問題を解決するためには貧弱であるといわざるを得ない。

(2)財政学でいう公共サービスと費用負担のあり方に関する談論

従来の財政学では、まず公共財を定義し、それと民間財との比較において公共財の最適な供給水準を議論し、その費用負担原則について、応益課税、応能課税といった議論を行っている。まず公共財の定義について、「外部性」、「排除性」、「競合性」という3つの特色を挙げる。「外部性」とは、市場を経ずに有利・不利な効果を与えることである。つまり公共財は市場を経ずに供給される。「排除性」とは、Aの消費はAがその価格を支払うことによって可能とされるのに対して、価格を払わないBはその消費ができないことであり、公共財については、「非排除性」がその特色とされる。「競合性」とは、Aがその消費からの便益に関与した場合に、他の全ての人々が得る便益を少なくすることであり、公共財については、「非競合性」がその特色とされる。効率的な公共財の供給水準は、民間財との対比において行われる。民間財の場合には効率の要件として各個人が得る限界便益と限界費用が等しく

 

 

 

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