議は、広域行政の比重の大きいダイアモンド型であるが、どの地域でも福祉サービスを提供するためにある程度の国の関与は必要として、福祉施策の実施のためには、広域行政よりも基礎自治体の基盤整備が重要なのではないだろうか。
(4) 日本とスウェーデンの自治体の比較
ア 規模
日本では、自治体は3,300の市町村に分かれており、その中には人口が1,000人に満たないようなものもあり、地域内で納税と行政サービスが完結する構造というよりは、むしろ単なる地域社会の範騰に止まっているものが多い。スウェーデンでは、合併により自治を行える規模の基礎自治体が形成され、1次医療圏(人口1.6万)をカバーするなど、そのエリアと機能が対応している。なお県は2次医療圏(人口30万)をカバーしており、主として医療のみを担当する。
イ 財源
スウェーデンの基礎自治体は自主財源が多く、構造がシンプルである。日本では歳出が建築・土木指向であるが、スウェーデンでは歳出の6割を福祉・教育に充てている(土木予算は、広域的に設けられる国の出先機関が持っている)。また財政力の格差については、ロビンフッド税という再配分制度がある。
ウ 人材
日本の政府の官庁は、採用の時点ですでに縦割りとなっていて、職員の専門性が確保されているが、市町村は各地方自治体ごとの一括採用を行っていて、職員は各種の部門を転々と移動するため、専門性が育ちにくい。そのため中央政府の指示待ちが多かったり、行財政能力の不安が懸念される。スウェーデンの場合は、市町村においても、各種業務をその部門のプロ