(2)地域間競争 →公共財の独占的供給主体である地方政府組織の生産活動に対して、X非効率性や裁量的予算最大化行動を抑制しうる。
→生産効率性(productive efficiency)を高めうる。
3 地方分権と足による投票
(1)分権化によって、より多様な地域が出現し(住民の選択肢が広がり)さらに「足による投票」によってより一層人々の棲み分けやグループ化(Tiebout sorting)が可能になれば、配分効率性が高まりうる。
(2)Tieboutメカニズム(実際の住民移動あるいはその潜在的な可能性)によって、各地方政府はより魅力的な公共財メニューを提示する誘因を与えられ、その結果地域間競争メカニズムが機能する。
4 最適な政府規模(都市規模)の決定要因〜どのレベルでの分権化が望ましいか〜
例:介護サービス(介護ステーションの運営)
各家庭が介護を行う→各コミュニティが介護サービスを提供する→各都市が介護サービスを提供する→国が介護サービスを提供する理想的条件:公共財からの便益の及ぶ範囲と政府規模の完全対応
(1)分権化定理→公共財に対する人々の選好が多様で、類似の選好をする人々が同一の地域に居住しているほど、小さな政府単位が望ましい。
(2)規模の経済性→どの程度の都市規模で規模の経済性が発揮されるかによって、できるだけ大きな政府単位が望ましい。
(3)公共財からのスピルオーバー効果がどれほど大きいか
(4)(地方)政府を組織する固定費用の大きさ
各国の所得水準の高さと分権的制度の導入にはプラスの相関が観察される→分権的制度は上級財か?