地方分権の経済効果
1 政策目的と政策割り当て
・マクロ安定化政策…中央政府
・所得分配政策
ナショナルミニマム部分、金銭的保障…中央政府
ナショナルミニマムを超える部分…地方政府
・資源配分政策
国レベルの公共財…中央政府
地方レベルの公共財…地方政府
・地域の福祉サービス・介護サービス
公共財か?(排除原則は適用可能か、非競合性(不可分性)はあるか)租税により公的供給すれば垂直的所得再分配も発生。
2 地方分権化のメリット
地方分権(地域ごとの分権的な意思決定)
→公共財・サービスの資源配分(パレート効率性)に対して、配分効率性と生産効率性の2つの側面から影響を与えうる。
(1)分権化定理
→地域住民の選好に沿ったきめ細かな対応が可能になる。
→配分効率性(allocative efficiency)を高めうる。
分権化定理:地方公共財の供給費用が中央政府においても地方政府においても等しく、また各地方政府はそれぞれの地域住民にそのパレート最適な量を供給できるものと仮定するならば、中央政府が国民全員に同一水準の供給を行うよりも、地方政府による供給の方が社会全体の厚生水準を必ず高めうる。
この定理は、ある意味で 自明のことを言っているにすぎないが、このことが分権化のメリットの本質的な点に他ならない。