日本財団 図書館



 ○積極的なマーケット開発(市場原理化、高付加価値化、多種少量生産・少量流通化)
 ○消費者二一ズヘの適合(多様化する消費者二一ズヘの対応)
 ○高度技術の導入と地場・伝統産業の育成(離島の資源・伝統・文化の活用、産業構造の再編)
 ○異業種間交流の促進(農林漁業、関連産業へのバイオ技術などのソフト・サービス的要素の付加による製品の高付加価値化)
 ○新時代に対応した産業への転換(地場産業の高度化、先端技術によるテサインなど高付加価値製品産業への転換)
 

 

ウ 離島の成長産集の展望

 消費者二一ズは「こだわり商品」に傾斜しているといわれて久しく、すでに第3章冒頭で述べたように、それらは「和」(私もの)、「地」(地もの)、「手」(手づくり)、きさいみん「生」(空もの)、「彩」(色もの)、「民」(民族もの・エスニック商品)として現象している。離島は小規模環海性の立地条件にあって経済立地的に優位ではないが、「一島一文化」を育む固有の立地条件を備えている点では、少量多品種、少量流通などを可能とする高付加価値要因を潜在的に備えている。
 前掲の財団法人日本離島センターの調査によると、今後、離島での可能性の高い産業として次の四つがあげられている。
 
1)離島の地理的特性を利用した産業
2)離島の特性をいかしたリゾート・観光・コンベンション産業
3)経済のソフト化・サービス化に対応した情報産業
4)創造性豊かな離島の環境をいかした教育・学習産業
 
 1)は、島の環海性をいかした水産業や先端技術などを導入した「つくり育てる漁業」のほか、本土と緯度や気象条件の差をいかした産業(花卉産業など)、隔絶性をいかした種子栽培産業などの展開である。
 2)は、「大衆画一観光(マスツーリズム)」に対して「もうひとつのツーリズム」といわれるリゾート、グリーン・ツーリズム(含むエコツーリズム)、地域文化観光(ヘリテージツーリズム)需要の台頭に対応する、豊かな自然と固有の島文化をいかした観光・リゾートの展開及び「空間的な隔絶性」や豊かな自然環境、200海里問題など島の国民・国家的な役割などを捉えた各種の会議など交流産業(コンベン
 
 

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION