地形は海岸から急傾斜地を上ると台地状をなし、台地の急傾斜面には暖温帯の雑木がみられる以外に特徴はなく、八坂神社に松の老木がある。
(工)人口・産業・島内交通・生活環境
平成7年の国勢調査で人口は131人となっており、近年、減少傾向にある。老年人口比率は20.6%、年少人口比率は21.4%となっており、年少人口の割合が比較的高くなっている。
主力産業は水産業で、生産額が約1.4億円(平成5年)、釣り漁業と“潜り漁”※による採介・採藻及ぴアワビ養殖が中心である。冬季は漁ができにくいため島内での就業機会が望まれている。農業は自家消費程度で畑地はかなり荒れている。
町道向島線や遊歩道があるが、全て改良・舗装済みである。また、簡易水道及び教育施設は整備済みであるが、ごみ、し尿などの廃棄物処理施設は未整備で、自家処理となっている。医療は移動方式で、月2回向島診療所が開設される。
夏は郵便船で本土へ通学できるが、冬は難しいため子供の就学負担が厳しい。また、他の島同様、住民は本土の星賀港に有料駐車場を借りているため、その負担も少なくない。
※当島には85歳の「素潜り名人」がいる。
(オ)特産・観光・交流
特産品は水産加工物、土産品はサザエ、アワビ、ウニなどの新鮮な魚介類とワカメ、ヒジキ、テングサの加工物などがある。
観光対象はクラマ岳と向島灯台、たて岩、八坂神社、向島灯台公園からの眺望、向島祇園、向島灯台祭り、活魚料理、郷土料理・カゼ味噌・ウニめし、が中心である。観光施設は向島海水浴場、遊歩道程度で活魚民宿が1軒ある。観光客入込数は約0.1万人(平成5年)で夏が多く、宿泊は100人強である。観光客の70%はおいしい魚を食べにくる客で、福岡周辺からの来訪が中心である。
県の「僻地間交流事業」が2年前から導入されており、脊振村(佐賀県神埼郡)の小学校との交流がある。
(カ)島おこしの動向と住民二一ズ
島おこしとしての顕著な活動はみられないが、若い島民を中心に副こは活気がみられる。
住民二一ズとしては、女性の島内居住、冬場の就業機会が期待されている。
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