(4)肥前町の離島の概況
ア立地・沿革
肥前町は、佐賀県北西、東松浦半島の西部にあって県下最小の離島・向島を有たかしまし、日比水道で長崎県鷹島と対時する県境の町でもある。気象は対馬海流の影響で比較的温暖で、雨は少なく、地形は標高50〜200mの上場台地の畑作地帯を中心に沿岸部はリアス式海岸となっている。
歴史的には、豪族波多三河守の領有に始まり、秀吉の名護屋進出、藩政時代を経て今日に至る。大鶴鉱業所が閉山する昭和32年までは石炭産業の盛んな町であったが、以後、農漁業と観光の町として今日至っている。
イ人口・産業特性
平成7年国勢調査で人口は10,009人、世帯は2,534、人口は平成2年に比べて542人、世帯数は45の微減となっている。老年人口比率は21.2%と、高齢化が進んでいる。
産業別就業者数は5,014人(平成2年国勢調査)で、第1次産業が36.3%と比較的高く、第2,3次産業は30%台にとどまっている。(第1次産業36.3%、第3次産業32.5%、第2次産業31.2%)。
観光客入込数は約27万人、消費額は約7.5億円で、誘致圏は福岡都市圏、県内はじめ九州各県に及ぶ。
ウ離島振興と行政対応
(ア)離島の位置
島喚は、外海・本土近接型離島である向島1島であり、向島の人口(131人)は町総人口の1.3%を占める(平成7年国勢調1勧。主力産業は水産業であるが、本土との航路の利便性が今一つであり、本土との就業・就学など往来に不便がある。
生産額は約1.4億円(平成5年)を占め、観光客は約0.1万人(平成5年度)である。漁業の町全体の生産額に占めるウエイトは小さいが、潜り漁中心で後継者もおり、活気がある。
県境、“平戸境目”の島として、小さいながら自然環境や島景観、対馬海流・大陸交流、松浦党の歴史などが他の玄海諸島と同様に痕跡を残している。
(イ)行政対応
これまで、離島振興法関連事業の推進を軸に、基盤整備面で町、県の行政施策が講じられている。
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