(3)鎮西町の雌島の概況
ア立地・沿革
鎮西町は、佐賀県北西、東松浦半島の北西先端部にあり、県最北端の加唐島はじめ松島、馬渡島の3島をもつ。北部は玄界灘に面し、対馬海流の影響で温暖である。沿岸は景勝の地・波止岬の両端に入り江をなし、玄海の好漁場と対時する。一方、背後は標高60〜80mの上場台地の畑作地帯である。
古来、島喚を介した大陸との往来や海道交流の歴史などは周辺地域と同様であるが、秀吉の朝鮮出兵の基地となった名護屋城が位置することで、本町は著名であり、第1次産業と観光の町として振興を図っている。
イ人口・産業特性
平成7年国勢調査で人口7,522人、世帯数2,013となっており、平成2年に比較して人口は449の微減、世帯数は25の微減となっている。また、老年人口比率20.5%で、高齢化が進む傾向にある。
産業別就業者数は3,979人(平成2年国勢調査)で、その内訳は、第1次産業36.8%、第2次産業27.0%、第3次産業36.2%と、第1次産業の比率が高い。観光客入込数は約86万人、消費額約11.4億円で、誘致圏は福岡都市圏や県内を中心に、九州各県に及ぶ。
ウ離島振興と行政対応
(ア)離島の位置
島喚は、外海・本土近接型離島である加唐島、松島、馬渡島の3島があり、人口(933人)で町の12.4%を占める。主力産業は水産業であるが、近年、本土との航路の利便性が向上し、特に、本土に近い加唐島、松島では本土との就業・就学などの往来の活発化がみられる。
水産業の生産額は3島で約8.8億円(平成5年)を占め、観光客も3島で約1.9万人(平成5年度)が来島している。漁業は町全体で相応のウエイトをもち、松島のIターン、女性層の特産品開発やイベントなどで近年活性化の兆しがうかがえる。
自然環境や島景観、対馬海流・大陸交流などの痕跡、キリシタン文化を含む島の生活文化などの特性を有する。
(イ)行政対応
これまで、離島振興法関連事業の推進を軸に、基盤整備面で町、県の行政施策が講じられている。
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