交通利便性をいかして本土・唐津市内への通勤も多いが、残業時の帰島の不便などから島外就業者の本土移住の傾向もあり、人口減少・高齢化を促進している面がうかがえる。
市道は舗装済みであるが集落内の道路幅員が狭く、改良が必要である。
水道は本土からの海底送水、ごみ焼却炉、し尿処理場、保育園、教育施設(小・中学校)、診療所(医師1名、看護婦2名の常駐)及び漁村センターも整備済みである。小学校には釣りクラブがあり、中学校の女子バレー、ソフトテニスは県下の大会などでも好成績をおさめている。
(オ)特産・硯光・交流
特産品はウニの瓶詰、土産品としてタイ、アワビ、ウニの瓶詰、からつの瞳(養殖アワビの貝殻を使ったアクセサリー)がある。また、特産化されていないいしわりどうふ※が、冠婚葬祭時の「石割豆腐」、「アジのすり身揚げ」は郷土料理として、特産化の可能性がある。
観光対象は景観眺望、ハマユウ群生地、鬼塚古墳、蒙古礎石、万葉句碑7基※など。観光施設は、主に海水浴場、キャンプ場、散策道、民宿6軒(内通年営業3軒)である。観光客対応の飲食・土産品店はない(日用品は自治会購買部が対応)。
観光客は平成5年に万葉句碑ができてから増加し、東急観光が唐津観光の一環でツアーを組んだ実績もある。観光客入込数は約2.4万人(平成5年)で、夏に集中している。宿泊は約2千人である。
交流施設としては佐賀大学の研修施設がある。このほか万葉和歌の縁で、研究の第一人者である犬養孝大阪大学名誉教授との交流などがある。
※石割豆腐については、118頁も参照のこと。※県内における民宿発祥の地。台地は考古学遺跡、近海は水中考古学遺跡のフィールドとして発掘体験、スキューバ体験のポテンシャルあり。
(カ)島おこしの動向と住民二一ズ
現在、島おこしグループはなく、公民館活動で万葉句碑などの案内を研究しているグループがある。基本的な島の運営母体は自治会と漁協であるが、漁協婦人部員が100人を越し、島の行祭事などの担い手として活性化に意欲的である。また、大正15年に発足した県下初の女性消防隊があり、平成5年11月に国土庁長官表彰を受けている。
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