■テーマ別まとめ
 (1)ハンブルク港の位置づけ
 
 ハンブルク港はドイツ最大の港湾であり、古くは東西交易の中心的な役割を果たしていた。近年、東西ドイツの統合、東欧諸国における政治、経済体制の変化により、再び伝統的な東西交易センターとしての重要性を増しており、エルベ川や運河等のネットワークを通じて、その背後圏をドイツのみならず、スカンジナビア、東欧等の諸国に拡大してきた。
 
(2)運営形態(官民の役割分担)
 
 ハンブルク市と船社が直接契約している船社専用のターミナルはない。船社は係留施設及び土地に関してハンブルク市とリース契約を結んでいるターミナル運営会社が提供するターミナルを利用する。その形態は、通常、複数の船社が同一のターミナルを利用する方式(公共方式)である。
 
(3)港湾別テーマ<ターミナルの自動化・情報化>
 
 ハンブルク港では、港湾関係者間の情報交換を行うオンラインシステムとして、DACOSY(Data Communication Systems for the Transport Industry)が導入されている。参加している団体は、フォワーダー、荷主、ターミナルオペレーター、検量会社、船社(代理店)、陸上輸送業者(トラック業者、鉄道会社)、公共団体である。
 また、日本と異なる点として、関税情報システムとの情報交換が可能であり、輸出入等書類の自動作成やユーザーによる端末での自動通関が可能である。
 DACOSYの主な機能は以下の通りである。
  ・フォワーダーのための輸出入等書類の自動作成
  ・検量書類の自動作成
  ・ユーザーによる端末での自動通関
  ・船舶動静の照会
  ・ドイツ国鉄と港湾利用者の情報交換
  ・ターミナル内でのコンテナ蔵置記録の照会
  ・船社(代理店)から鉄道、フィーダー船、トラック業者へのオーダー及び運賃情報の照会
  ・東欧諸国の業者とのEDI
  ・海外のオンラインシステム(ニューヨーク/ニュージャージー港のACES等)へのリンケージ