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第2章 グループウェアの適用効果

第1節 効果の考え方

 過去、財務処理や税務処理などの基幹系業務と称される業務についても、人手によって処理されていた時代があった。その後、汎用コンピュータなどを導入し電算化することにより飛躍的に処理速度が増加した。一方、近年のOA化についても、従来ペンなどにより作成されていた文書などをパソコンやワープロなどに置き換えることによって、作成や修正あるいは再利用などの点において効果を発揮してきた。これらは、従来人手により行われてきた事務作業を、単にコンピュータへ置き換えただけでも目にみえた効果が表れたのである。
 ここでは、電算化とOA化の隙間を補うことができるグループウェアの効果とは、いったいどのようなものであるのかを、グループウェアの各目的ごとに解説する。

1−1 コミュニケーション支援

 組織として作業を行う場合、個人の考えだけでは仕事を遂行できない場合が多い。そこで、会話や会議などの手段を用いてコミュニケーションを行うことになる。
 しかし、コミュニケーションとは、時として非常に不便な場合が多い。その理由として、コミュニケーションを行うということは、複数の人間が時間若しくは空間を共有しなければならないのである。

(1)既存のコミュニケーション手段の問題点

 時間と空間を共有するコミュニケーションとして会議などがある。しかし、会議の場合は、開催日時や出席者の調整を行うなどの作業が発生する。だがその結果、すべての関係者が出席できるかは疑問である。
 また、時間を共有するコミュニケーションとして電話などがある。しかし、電話の場合は、相手の都合により不在の場合には会話にならないという欠点を持っている。
 さらに、空間を共有するコミュニケーションとして掲示板などがある。しかし、掲載者は掲示物をその場へ掲載しに行く必要があり、また閲覧者もその場へ閲覧しに行かなければならない。

(2)グループウェアに置き換えた場合の効果

 グループウェアは、既存のコミュニケーション手段の問題点を補完する仕組みを持っている。
 前述の会議の例では、スケジュール管理機能を使うことにより、自らの席に

 

 

 

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