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(3)民間企業におけるグループウェア導入事例

 ホワイトカラーの生産性向上のツールとして注目されているグループウェアは、ビジネス・プロセス・リエンジニアリング(BPR:経営革新の手法)の思想によく馴染むことから、民間企業での導入が先行している。
 トップダウンによる経営的判断から、パソコンの一人一台体制を実現し、グループウェアを導入して情報の共有化を進め、組織のフラット化を実現している企業も存在する。
 なお、導入事例として多いのは、普段外出して顔を合わせにくい営業部門での例である。例えば、外出先から顧客情報や在庫情報の問い合わせを通信により行い、競合会社との価格競争中にける即時決裁を行っている例や、営業日報をグループウェアで作成し、ネットワークを介して送信することにより、報告のための帰社が必要なくなったなどである。
 また、人事や購買部門においての合理化にグループウェアを利用している企業もある。13,000人の社員の出退勤時間や残業時間、休日などを管理し、給与明細はネットワークを通じて閲覧することができ、慶弔は目時を入力すれば自動的に式の会場に花や電報が送られるなどの、勤務管理システムを構築した例もある。
 さらに、従来基幹系業務で構築していた各種伝票処理などを、グループウェアの導入により簡素化している例もある。従来伝票により確認を行っていた、購買部と生産部の間における品質検査情報を、グループウェアを導入することによって、部門を越えた情報の共有化を実現し、大変手間がかかっていた問い合わせの対応などを効率化させた例もある。
 以上のように、民間企業においては業務変革のツールとして、今後ますます利用が促進されると予想される。

 

 

 

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