第2節 グループウェア利用の社会的動向
2−1グループウェア誕生の背景
昨今の新聞・雑誌等には、ネットワークの新しい活用事例として、民間企業におけるグループウェアの導入記事が多く見られるようになった。
ここでは、情報システムの歴史や時代背景を順に追い、グループウェアがどのように誕生したのかを述べる。
(1)第1世代
1970年代後半、日本語ワードプロセッサ専用機が市場に出回り始め、文書を電子化できるようになった。しかし、ハードウェアの性能も現在とは比較にならないほど低く、文書の編集機能もまだまだ未熟で、A4サイズで1ぺ一ジほどの記憶容量もなかった。さらに業界標準化の動きもなかったことから、異なる機種間での文書交換など到底不可能であった。それでも電子化された文書は、修正のしやすさや、紙による文書保管と比べて保管場所を必要としないことから急速に普及した。
一方、大型汎用機の世界では、一部の地方公共団体において基幹系業務(バッチ処理)を立ち上げ始めたころであった。
(2)第2世代
1980年代に入ると、パソコンがそれなりの処理能力を持ち始め、文書作成はもちろん表計算やグラフ処理などもできるようになった。さらに80年代後半になると、モデムなどの通信系のハードウェアも普及してきたことから、パソコン通信などのネットワークを用いた文書交換、いわゆる電子メールが一般化した。
しかし、時代背景として、大型汎用機による基幹系業務の充実段階にあったため、オンライン処理の真っ只中という状況が続き、パソコンはまさにパーソナル(個人的)な利用に留まっていた。
(3)第3世代(現在)
バブル経済の崩壊による経費節減が叫ばれる中、飛躍的な進歩を遂げたパソコンなどを活用する、いわゆるダウンサイジングが提唱され始めた。大型汎用機と比べ、比較的安価なUNIXワークステーションやパソコンによるクライアント・サーバシステムが構築され始めた。
事務所には多かれ少なかれパソコンが導入され、個人的な利用はもちろん、