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1−5 グループウェアの有効性

 実際の事務においては、文書の回覧、連絡や調整、会議、資料の収集及ぴ作成といった、従来のOA化では成し得なかった部分が多数存在する。つまり、ある意味では事務の効率化は進んでいなかったといえる。
 そのため、煩雑な事務に追われて、なかなか創造的な業務に時間を割くことができずにいたり、他の職員が何を行っているのか正確に把握できないため、場合によっては、行き違いや競合が起きるなどの問題も生じる。さらに、情報伝達に時間がかかるような場合では、意思決定の遅延なども発生する。
 グループウェアとは、これらの状況を改善するために、各職員が円滑にコミュニケーションできる環境や、部門内で生み出されるさまざまな情報を共有化する環境を提供している。つまり、グループウェアを利用することにより、煩雑な事務を軽減することができ、その結果、限られた労力をより生産的な活動ヘパワーシフトさせることができるのである。

(1)コミュニケーション支援

 例えば、会議を開催するためには、出席者の予定を個別に伺うところから始まり、会議室の空き状況を調べ、日時を調整した後、出席者へ通知するなどの手順を踏む必要がある。ところが、グループウェアのスケジュール調整機能を利用した場合、出席者の予定や会議室の空き状況を瞬時に把握することができるだけでなく、会議の開催予定を入力した段階で、即座に会議室の予約や出席者に対して開催を知らせることができる。従って、従来少なからず発生していたスケジュール調整の手間を軽減することが可能となる。
 また、グループウェアの電子会議室機能を利用すれば会議そのものを省略することが可能となる。実際の会議では、多くの職員がかなりの時間を拘束される割には、一人当たりの発言時間は非常に限られている。これを電子会議室へ置き換えた場合、職員が都合の良い時間に参加できるため、会議による拘束時間はもとより、異動にかかる時間までも節減することができ、かつ、電子化された時系列な発言内容を、自由に閲覧や保存できるのである。
 さらに、軽微な連絡や報告事項などについては、電子メールあるいは電子掲示板に置き換えてしまうことも可能である。

(2)情報の共有化

 業務を遂行する上において文書の作成は不可欠である。しかも、そのほとんどの文書は、過去に作成された文書を基に作成されているといっても過言ではない。つまり、多くの文書は一度作成された後、継続的に再利用されていくも

 

 

 

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