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 導体であるため、人体に対する危険防止や火災防止などを目的とするだけではなく、電気的ノイズ(以下「ノイズ」という)の防止や静電気の防止の目的もある。FRP船の接地の目的的をまとめると、次のようになる。

(1) 災害防止策としての接地

(a) 人体に対する危険防止

(b) 火災や爆発事故の防止

(c) 落雷による危険防止

(d) 静電気対策

 

(2) ノイズ対策としての接地

(a) 誘導ノイズ障害の防上

(b) 輻射ノイズ障害の防止

 

(3) 無線機器における接地

-1. 人体に対する危険防止

 電気機器やケーブルが接地されていないと、絶縁破壊や漏えいなどによって、非導電金属部(正常な使用状態では電圧のかからない金属部)の電位が上昇し、それに人が触れると感電する。このため、各船級規則などでは安全電圧を超える電気機器の非導電余属部やケーブルの金属被覆の接地を要求している。感電しても人体に障害を与えないといわれる安全電圧は、人体定稿と人体の許容安全電流によって決まるもので、94年IEC 92-101で次のように定められている。

(a) 直流……導体間又は導体とアース間が50V以下

(b) 交流……導体間尺は導体とアース間が50V(実行値)以下

-2. 火災や爆発事故の防止

 電気機器やケーブルが接地されていないと、非導電金属部の電位が上昇し、近隣の構造物や人体との間でスパークが生じ火災、あるいは引火性ガスの爆発などを引起こす、これを防止する目的で、やはり非導電金属部の接地が行われる。

 

 

 

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