8.5.1 鋼船の電気防食
-1. 流電陽極法
流電陽極法は、船体の鋼よりイオン化傾向の大きいアルミニウム、亜鉛などの金属(卑な金属という)を用いて、翼種金属接触による電池作用を利用して防食する方法である。
流電陽極材料は、高純度亜鉛あるいは高純度アルミニウムに特殊金属を添加したもので、常に安定した電位と電流が得られるような製品である。現在、最も多く船体外板の防食に使用されているものは、亜鉛合金陽極、次いでアルミニウム合金陽極である。
流電陽極は、電流の発生に伴って溶解消耗するので、犠牲陽極とも呼ばれ、一定期間毎に取替える必要がある。