8.1 防食工事の目的
船舶に使用されている金属は、最も過酷な環境におかれている。大気中にある金属には海塩粒子が付着し、酸化物となって腐食が進行する。また、海水中のものは伝導性の良い電解液に接しているので、電気化学反応により、金属の陽極部は電子を失って海中に溶け出す。
また、鋼と銅合金あるいはアルミニウムなどの異なった金属が2種類以上接触して海水中に共存すると、異種金属間に電位差が生じ、局部電池が形成されてイオン化傾向の大きい方の金属が腐食する。
FRP船については、FRPが合成樹脂であるため、船体は防食対象とはならないが、プロペラやプロペラ軸などには腐食が生じる。
これらの腐食を防止するために防食対策を講ずる必要がある。
8.2 エフ用材料部品の防食