8.9 風向風速計
一般に使われている風向風速計は、1基のプロペラを持つ飛行機形をしている。風速は、プロペラ駆動の発電機に生ずる風速に比例した電圧を、風速で目盛った電圧計で読みとるものである。風向は、垂直尾翼による胴体の回転角をシンクロ発信器に与え、電気的にシンクロ受信器に伝達させて遠隔指示させるものである。
8.10 自動操舵装置(オートパイロット)
船の針路は、風や波、海流などによって、予定針路から外れることがある。このとき操舵員は、コンパスによって針路の外れを知り、船首を針路に戻すため舵を取るが、この際、針路が戻るに従って舵角を小さくし、予定針路になる直前には、惰性を止めるため反対側に舵を取ったり(あて舵)して、定針させる。オートパイロットは、これらの操作を自動的に行う装置である。
方位の検出をジャイロコンパスで行う方式のものと(GCP)、磁気コンパスで行う方式のもの(MCP)などがある。
8.11 GPS1航法装置
GPS(Global Positioning System:全世界的測位システム)は、人工衛星を利用し、地球上いつでもどこでも、三次元の位置情報を得ることのできる測位システムである。GPSを構成する24個の衛星は、軌道半径26,561Km、軌道傾斜角55度の6つの軌道面にそれぞれ4基が等間隔に配置され、周回周期11時間58分2秒(12恒星時間)で地球を回っている。
GPS受信機により測定される量は、各衛星から発射される電波に載せられた測距信号(C/Aコード)が受信機に到着するまでの伝播時間である。C/Pコードには、衛星の位置情報、搭載時計の情報、電離層補正データ、他の衛星の位置情報が載せられており、送信電カ約25W、搬送波周波数1,575.42MHzで、30秒周期で繰返されている。