3.4 短絡電流
3.4.1 概 説
短絡電流を有効に遮断できる適切な保護装置の選定は、配電系統の計画に当たって、最も重要な事項である。
したがって、回路の短絡電流推定計算が重要視され、各船級協会からもその計算書の提出が要請されている。
船内短絡電流の計算方式は次のようなものが挙げられる。
(a)IEC方式(TC18/1990で改訂)
(b)グラフィック方式
(c)パーセントインピーダンス方式
(d)等価発電機法
(e)米国海軍規格法
(f)電気協同研究会方式
(g)簡略計算法(NK鋼船規則H編2.3.3)
これらの内最も国際的に通用しているのがIEC92−363であるが、ここでは計算の簡素化のため、グラフィック方式、パーセントインピーダンス方式及びNKの簡略計算法について実例を挙げる。
ただし、簡略計算法では相当大き目の結果が得られるので、注意を要する。計算に当たっては、発電機メーカーから必要な諸定数を入手する必要があり、また電力調査表、電動機、給電回路の諸数値も必要である。遮断器の容1決定に当たっては、計算された対称実効値を遮断し得る容量のものを選定しなければならない。
3.4.2 グラフィック方式
この方式は、IEC92−363船内短絡電流計算法に一部改良を加えたもので、グラフィック方式と称する簡略等価計算法である。
この方式の考え方は、次のとおりである。
(a)短絡電流の供給源は、発電機及び電動機とし、これらの代