第24回全日本空手道選手権大会
日時/1996年12月8日
会場/日本武道館
主催/(財)全日本空手道連盟
有終の美を飾った
4人の全日本王者
男子組手 国分利人(千葉)
女子組手 米田由公子(大阪)
男子形 阿部良樹(東北)
女子形 上農真理(近畿)
一年を締めくくる全日本選手権が、好天に恵まれた12月8日、武道の殿堂・日本武道館にて開催された。今年の空手道日本一は、強豪のひしめく男子組手を制した国分利人(千葉)、昨年に引き続き2連覇を遂げた女子組手の米田由公子(大阪)、実に5年連続トップの座を維持した男子形の阿部良樹(東北)、苦節を経て見事華開いた女子形の上農真理(近畿)の4人に決定した。
■男子組手 国分利人、2年ぶり2度目の優勝!!■
2連覇狙う椎名志津男だったが……
各都道府県連盟、競技団体のトップ選手が凌ぎを削る全日本選手権。男子組手では日本空手界の最高峰を目指して51人の男たちが熱い戦いを繰り広げた。
まず前年優勝の椎名志津男(茨城)はいつもの軽快なステップワークで初戦(2回戦)、母校日本大学の現役2年生、亀剛彦(神奈川)を2−0で降す幸先のいいスタートを切る。続く3回戦の松崎沢宣(福井)戦を6−1で圧勝した椎名はその次の準々決勝で今大会最大の山場を迎える。準々決勝で椎名を待ち受けていたのはあの清水裕正(東京)だったのである。
清水は過去4度の優勝経験があり、これは現ナショナル・チーム・コーチの村瀬一三生とタイ記録。また11月に行われた世界選手権大会でも清水は80?s超級で金メダルを獲得した超大物(椎名は70?s級3回戦敗退)。しかも、椎名にとっては母校日本大学の大先輩にあたり、さらに現在、椎名が勤めているさくら整骨院の院長でもある。
しかし、いざ勝負となったら仕事師・椎名は遠慮なしに清水に挑みかかる。伸びのある上段突きで1ポイントをリードしていた清水だったが、スピードの乗った連突きで追いつく椎名。残り時間10秒を切ったところでお互いの中段突きが交錯し、清水の方が一瞬速く2−1と清水

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