[20]追波中の船の転覆条件(英文)
浜本剛実(阪大)、James P.Panjaitan(阪大院)
追波中を航行している船舶のGZ曲線の変動と転覆限界との間の運動力学的関係をエネルギーバランス法によって分析し、特にパラメトリック・レゾナンスを起こして転覆に至る条件を推定する実用式を提案する。この結果と横風横波中の転覆限界に関する基準A562による結果との比較検討を行う。

[21]最短時間停止操船に関する一考察
岡崎忠胤(名工大院)、大津晧平(京船大)、正司公一(IHI)、水野直樹(名工大)
港内操船時、船長、パイロットは機々な操船場面に直面する。この場面を克服するためには、その船の持つ操縦性能を最大限引き出す必要がある。本稿では、バウ、スタンスラスタ搭載の小型練習船およびタグ操船下のコンテナ船の精密な操縦モデルを使って、船をある状態から指定された地点に最短時間で移動し停止させる問題の数値解のもつ幾何学的、操船論的特徴を明らかにし、実際の操船時に、あるいはきたるべき自動操船システム開発に向けてその資料とすることを目的とする。

[22]横運動時の船体に作用する流体力の推定法に関する研究(続報)
貢島勝郎、古川芳孝(九大)
渦放出モデルを基礎として、船舶が横方向に運動する時に船体に作用する流体力を推定する方法について検討を行った。船体から剥離する自由渦の減衰を考慮した渦モデルを導入して船体に作用する横力の船長方向分布を推定し、模型試験による計測結果と比較した結果、船首尾付近において流体力をやや大きめに推定する傾向が見られるが、全横力については比較的精度良く推定できることを示した。

[23]流線型無人無索潜水艇に働く線形流体力及び操縦性能に関する研究
邸逢深、郭振華、張鎰源、王傑智、王治平(台湾大学)
台湾大学が開発中の流線型中心縦断面を有する鯨型潜水能AUV−HM1テストベッドの縦運動操縦性能を把握するため、拘束標型を用いて斜行試験、強制動揺試験及び舵力試験を行い、縦運動の安定性と旋回性について、操縦性指数をもって検討した。なお、安定性微係数の推定について、Bottacciniが整理した経験式を引用して推定した結果、その有効性を確認した。

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