[4]3次元PAR−WIGの空カ特性に関する数値解析(英文)
平田信行(船舶技研)
翼の前方にプロペラを配置した翼端板付き地面効果翼まわりの流れを、マルチブロック法に基づくNSソルバーを用いて計算した。地面上の境界条件として、case1:実際の航行状態(u=1)、case2:地面板の状態(u=0)の2つを適用し、比較を行った。その結果、翼が地面に近づくと、揚力、抗力ともに増加し、また地面板上に発達する境界層が真の空力特性に大きく影響を与えることがわかった。

[5]密度関数法を応用した気泡の数値シミュレーション
金井売浩、宮田秀明(東大)
気泡を含む流れの詳細構造と流暢へ及ぼす影響の機構は、まだ十分に明らかにされておらず、この点を明らかにすることは、工学的に重要であり、例えば、摩擦抵抗低減に大きく貢献すると考えられる。そこで本研究では、気泡を直接シミュレート可能な、TUM−MAC系の差分法と密度関数法を用いた数値計算コードの開発を行い、まず、上昇気泡の場合に適応し、コードの信頼性と気泡の挙動についての解析を行った。その結果、気泡形状変化と不安定挙動を精度良く捉えることができた。

[6]DMDFモデルによるオホーツク海流氷運動の数値予測
松沢孝俊、山ロー、林昌杢、鈴木慎介、加藤洋治(東大)
力学的な流氷運動を計算するDMDFモデルは、流氷の離散的な特徴を表しながら比較的広範囲に適用できるモデルである。本研究ではオホーツク海という複雑な境界についての計算を行い検討を加えた。数種の計算の結果、若干流氷域が拡大するが傾向としては観測と一致すること、海流を風との連成から計算すべきこと、風応力の作用方向の偏角を理論値より小さく考えるベきこと、等がわかった。

[7]長期予測法のための新しい統計学的数理モデルの構築−船体応答予測への応用−
新開明二(九大)、万順濤(九大大学院)
海象の長期波浪統計データの質と長期予測の基礎をなすアルゴリズムの両面から検証を加え、船体応答の統計的予測法の基本アルゴリズムの再構築を計ることを目的としている。新しい長期の波浪モデルを参考にして長期波浪発現確率の定義を調査し、異なる波浪統計資料間の統計データを合成し利用する立場から、アルゴリズムについて検討した。北太平洋に関する統計データを例として採用し、コンテナ船の船体応答の長期予測計算を実施し、再構成したアルゴリズムが有用であることを確認した。

前ページ 目次へ 次ページ