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4・2 高性能振り子車両(新スプリンター)の導入

 

4・2・1 狭軌鉄道における高速化

(1)狭軌鉄道の現状

(表4・2−1)に主な国の狭軌鉄道を紹介する。営業運転における最高速度は、南アフリカの160km/hが最も高く、続いて日本の130km/h(一部140km/h)、タイ及び台湾の120km/hとなっている。狭軌鉄道は標準軌や広軌の鉄道に対し、高速走行の面で不利であることは言うまでもない。

しかしながら、1978年には南アフリカ国鉄が、試験走行ながら当時としては標準軌や広軌鉄道に匹敵する、245km/hの高速度を達成している。さらに、近年の車両技術の進歩により、車両の動力性能が飛躍的に高まっており、狭軌鉄道でも現状を大幅に上回る高速化は十分可能であると思われる。

 

表4・2−1 世界の主な狭軌鉄道

国名 軌間(mm) 営業距離(km)(狭軌のみ) 電化率(%) 最高運転速度(km/h) 軸重(トン)
日本 1,067 24,000 62.1 130 16.0
台湾 1,067 1,071 45.8 120 15.0
フィリピン 1,067 805 - 75 不明
タイ 1,000 3,870 - 120 15.0
マレーシア 1,000 1,652 - 80 16.0
ミャンマー 1,000 3,137 - 64 12.0
インドネシア 1,067 6,458 0.8 80 15.0
バングラディシュ 1,000 1,872 - 74 12.0
スーダン 1,067 4,725 - 70 16.5
モザンビーク 1,067 3,696 - 80 18.0
南アフリカ 1,065 23,259 33.0 160 20.5
ナイジェリア 1,067 3,565 - 110 20.0

(1990年 JARTS世界の鉄道データ集より)

 

 

 

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