カナリー諸島で稼働しているのは、スペインの海運会社であり、スペイン自体が造船国であることから、稼働中の船舶は当然ながら自国の建造船が主体となっている。
輸入された船舶は、自国では採算その他特別な技術や経験を必要とする特殊性のある専用船か、建造時期の都合上、あるいは船価などの問題で、輸入が有利として輸入されたものであるから、スペインと同等もしくはそれ以上の高水準のものである。
しかも中小型の一般船舶や漁船であるからして、技術、経験に十分な競争相手諸国の建造船の間には、品質、技術の点で良否の差はない。
納期については、わが国が優位にあるが、品質、延払い条件などば各国とも殆ど上下の差はない。
(B)輸出対策
従って、競争相手国はそれぞれ独自の特殊技術による特殊船、専用船の売込みに努力している。
地理的に有利な造船国は、船主との接触、交流もわが国より遙かに容易で有利な立場にある。
(C)カナリー諸島との歴史的、経済的なつながり
カナリー諸島には既に紀元前にフェニキア人の船乗りがジブラルタル海峡をこえて、この地域に居住していたと伝えられている。
15世紀になってから、欧州の航海者が渡来するようになり、1402年にノルマン人のベタンクールが、この諸島を征服して1406年に島の一部を植民地化した。
その後、1406年から1479年にかけてポルトガル人が、この諸島を占領しようとしたが、同じ目的をもったスペインとの争いとなった。
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